Tanhaji: The Unsung Warrior (Hindi/2020)を川口スキップシティで。 

マラーター民族主義は何かと問題を含む。本作も色々と工夫はして、最近の作品としては珍しく、タイトルを英語・ヒンディー・ウルドゥーの3言語で表記した。また敵役をムスリムではなくムガル皇帝に仕えるラージプートと設定した。さらにシヴァージーに仕える土候にはムスリムも一人加えた。ヒンドゥーVSイスラームの闘いにするのではなく、スワラージのための闘いと何度も言わせている。色々やったけど、結局レビューではサフロン化だのジンゴイズムだの書かれた。これまでの愛国系歴史ものと違い、ターナージーは独立国の王ではなく、シヴァージーに仕える武将。忠臣ものは日本では十分あるが、インドではどうなのか。ADはいつもながらの芋芝居。見どころはカージョルだった。サイフも悪くなかったが、身勝手な懸想をする相手が主人公の思い人ではないという点は、劇的な構成としてどうだろうと思う。それでパドマーワトのランヴィールと比べられてしまうだろう。シャラド・ケールカル演じるシヴァージーは脚本の弱さが露呈したキャラだが妙に印象に残った。

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Tanhaji: The Unsung Warrior (Hindi/2020)を川口スキップシティで。 

続き。女性の扱いとしては、幼児婚が出てくるところ、それから悪役に横恋慕されるカマラという女性が、夫に殉死しようとしていたところを無理に攫われてきたということなどを淡々と描いていた。ヒロインであるサーヴィトリーの最終シーンが、そうしたものを見て落ち着かない気持ちになっていたところに救いをもたらしてはいたが。歴史ものとしては、シヴァージーを全く受け身の優柔不断で温厚な領主(けれどもなぜか神のように慕われている)のように描いていたところに疑問。これはADが普段やってる現代を舞台にしたアクションを単にコスプレに変えただけじゃないだろうかと思えた。例の最終兵器としての大砲というのも、17世紀の話とするとリアリティーがないけど、核のボタンだとすると意味が通じる。

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