シビル・ウォー アメリカ最後の日鑑賞。 

カメラマンとしての仕事ができなくなっていくリーと、逆に戦場に適応していくジェシーの対比がすごく印象的だった。死んだ目をしたリー。直接言葉があるわけではないから彼女の考えは想像するしかないんだけれど、その想像するしかない部分を考えるのが面白かった。
戦場に行った経験があって、悲惨な光景なんて山ほど見ているリーが、新米のジェシーにプロの姿勢を学ばせられるリーが、どうして今さらダメになっていくのか。やっぱりサミーの死が引き金になったのだと思う。そういう仕事をしていたって、所詮は遠い国の他人だった。自分の国で起きている戦争、目の前で死んでいくのは同胞だから。サミーの遺体の写真を消すところが私は好きだ。今まで、報道のための、言ったらただの商売道具だった写真は、恩師が映って初めてそういう目では見れなくなる。経験豊富なリーでも…あるいは経験豊富なリーだからこそ。

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シビル・ウォー アメリカ最後の日鑑賞。続き。 

アメリカにとって(というか、日本人の私にとってもだけど)戦争ってたぶん他人事で、それを自分たちに引き寄せて考えるための映画なんだろうと思った。もちろん、その状況に麻痺して気にならなくなるジョエルやジェシーのような人もいるし、なんだかよくわからないけど状況に乗じてなにやら悪事を働いているっぽいジェシー・プレモンスの役みたいな人もいる。どことどこがなんのために戦っているのかいまいちわかんない作りになっているのも、より身近に感じさせるためなのかな、と。誰がどう悪いとかではなくて、遠い世界で起きていると思っている何の大義もないそれが、地元で起きてたらどう感じるか。とはいえ、そこが主題だとしたら、ジャーナリストを主人公にするって、基本的にはもっと広い世界を知ってる人たちのはずで、身近に置き換える相手としてはポイントがずれる気もするので、なんか読み取りを間違えてるかもしれない。

ここまで真面目に書いて、すごくどうでもいいこと書いちゃうけど、ジェシー役の人がかわいかった。

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