ドライブ・マイ・カー鑑賞。
「悪は存在しない」で不思議な質感だったからこちらも見てみた。やっぱり不思議だった。感情の発露?温度?が低い。でもなんとなくそれが心地よい。
感情の温度が低い→抑制が効いたとはつまり、コントロールするということで、映画全体もそうだし、まず家福のキャラクターがそう。妻の秘密を知っても自分の気持ちに蓋をする、それと同様に他人に対しても(演出家として)わりと厳しく場をコントロールする。その支配権は高槻が自分の知らない妻の話を始めることで奪われる。狭い車内での会話と密かな動揺。そのままお芝居のイベント自体が揺れるような事件も起きて、自分も場も支配できなくなった家福がたどり着く先でドライバーの渡利にやっと吐き出せたこと。渡利が吐き出せたこと。虚勢も演技もなくさらけ出した傷。勢いよく面白い!というのではないんだけど、じわじわ良いなーと思う。
全体的に感情の波が控えめな分、チェーホフ?のお芝居の台詞と映画の登場人物の気持ちが時々繋がったり、来ないゴドーを待っている二人/いない音についてを話す家福と高槻とかの見せ方が面白かった。

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それはそうと、高槻と話すシーンは面白いし、岡田将生の美しさ?妖しさ?もとても好きなんだけど、頭の隅に「いやでも、おまえがそれを言うのかよ」と思わないでもない私がいる。

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