『劇場版 仮面ライダーアマゾンズ THE MOVIE 最後ノ審判』
最近の劇場版仮面ライダー映画の中でも一番クオリティが高かった。
人工生命体アマゾン、政府、政府の下の実動部隊、謎の孤児施設、製薬会社らのスクランブルの特撮アクションドラマは見応え十分。
“生きる”、“食”、人工生命体/人間同士の同族の戦いなどいろんなテーマを持ち、これまでの仮面ライダーシリーズにはない異色のドラマ。
故に従来の仮面ライダーファンや特撮ファンには馴染みが薄いタイプの敵対関係/人物相関なので、こうした方々には「これじゃない」感が付きまといそうだが、それを押しきって作った「仮面ライダーアマゾン」のリブートとしてはもっとも異端の仮面ライダーながら冒険に満ちた意欲作。
東映の大人たちが作りたかった大人のドラマのアマゾンロワイヤル。4D作品で、意外と音も拘りがある。意外な掘り出し物だった。
『レッド・スパロー』
ラシアンバレリーナからのロシア情報局のくノ一殺法女スパイを使ってのアメリカの犬(モグラと言ってたが)暴きの米ソ股にかけたスパイ戦。
大枠のストーリーの流れもなんとか破綻するギリギリな線で、演出、キャスティング、ストーリーの要に大穴が目立つ。
まず、要は男を誘惑してなんぼのドミニカにエロさがまるでない。ドミニカの元のキャラが母を介護する清楚なバレリーナという純真系の女性の時点でかなり厳しいが、そこからドミニカの奥底に眠る性欲や痴情を呼び起こさなきゃいけないが、シャーロット・ランプリングの養成講座だけではそこまでに至ったとは見えない。又、そうでなくともカメラワークを使ったり服装などでいくらでもエロく見せられるはずだが、そういう演出は皆無。つまり、ビッチ描写がまるでない。
ストーリーの要であるモグラの正体も後半に唐突なくいきなりドミニカの前に現れる芋脚本。
相手(男性)の心理を突いた行動も単に股間を握るだけの脳筋アイデアに知性がまるで感じられない。
アクション控えめの心理戦系のエロい女スパイをやろうとしたが、何もかもがぬるい。
『パシフィック・リム アップライジング』
前作『パシフィック・リム』で色々やっちゃった中での続編はやはり難しい。
前作で長官だったペントコストの息子を中心にしての次世代の『パシフィック・リム』ストーリーだが、ジョン・ボイエガ演じるジェイク・ペントコストの後ろ向きなキャラのせいで中盤まで歯切れが悪い。
他、無人機イェーガーを奨める中国企業やキャラ立ち弱い新キャラなどどれひとつとっても貧弱なエピソード。
前作がいきなりメインテーマ曲をバックに出し惜しみなくロボット対怪獣をやったのに対し、本作はふにゃふにゃした音楽に中盤になりようやく出てくるロボット怪獣バトル。
前作ほど日本の特撮やロボットアニメへのリスペクトも薄く、超傑作の前作からするとどうしても厳しく見える。
後半のロボット対怪獣が頑張れたのでよしとしないといけないかな……