『12か月の未来図』4月6日より公開①
パリの超名門高校の教師フランソワが己のうっかり提案でパリ郊外の移民系が多い地区の中学校に赴任し、3年生の担任になってからの一年間を映した映画。
タイプとしてはまさしくローラン・カンテの『パリ20区、僕たちのクラス』や『ぼくたちのムッシュ・ラザール』、『オーケストラ・クラス』のような今時のフランス語圏、フランスの中学校映画。これに教師側もキャラが強い。主人公のフランソワは超名門高校の国語教師というだけでなく、日本で言えば村上春樹クラスの国民的な作家の息子で、ブルジョワの世間知らずで皮肉屋で、やや独り善がりのはげちゃびん中年。どちらかと言えば嫌なタイプの先生で、そんな都会派はげちゃびん中年先生がクラスの8割がアフリカ系で落ち着きのない今時の15歳らの担任教師になってしまう。
フランソワ・トリュフォーの『大人は判ってくれない』から約60年。学校の先生は生徒を怒鳴れるが生徒を叩けず、ちょっと問題があると保護者を学校に呼び出し担任&校長との面談や学校裁判のような指導評議会で生徒の退学の有無を決めてしまう。(つづく)