2018年版『サスペリア』
ここまで酷いリメイクも記憶にないぐらいの改悪。
大筋のアメリカのバレリーナのスージーがドイツのバレエの名門学校にバレエ留学をするという点だけ同じで、あとは大胆な改変。
なによりも、冒頭のパット(この映画ではパトリシア)の惨殺シーンや有名なウジ虫のシーンがなく、盲目のピアニストも義歯の下男、マダム・ブランクの甥っ子の少年もいないし、男女共学だったのが女子校に、白人オンリーだったキャストも黒人が混ざったり、まあ色々といじっている。
学校内の装飾も鏡張りの部屋が多くなっただけで、オリジナル『サスペリア』特有の赤い部屋がない。あと校長室のアイリスもない。
主人公スージーがバレエで倒れるシーンはあるが血を流してなく、医者の診察や以降赤ワインを飲むシーンもカット。
その上、1977年の西ドイツを席巻していたドイツ関口台のハイジャックやバーダー/マインホフの親衛隊による暴動をいれ時代にリアリティーを持たせているが、さらにミステリアスさと魔力が薄れている。
本来の魅力を削ぎ、余計なリアリティーを入れ、これ以上ないオリジナルのレイプ。
ここまで酷いのもなかなかない。