『ゲティ家の身代金』
偏屈な大富豪爺さんと爺さんの息子の元嫁によるマネーゲームの駆け引き、そして誘拐された孫を誘拐した犯人たちとのやり取り、あと拐われた本人の脱出・囚われの心理、こうしたもろもろの心理戦を楽しみ、また親権、孫の身代金、ミノタウロス像、絵画、情報などの「物の価値」というものが一つの題材になった作品で、心理戦・駆け引きを主としたクライム・サスペンスとしては一級品。
イタリアのシーンでパパラッチがやたらいる辺りはフェリーニの『甘い生活』や『フェリーニのローマ』を匂わせ、またゾンビーズやストーンズなどの音楽も巧みに使って70年代を表現してた。
ストレートなアクションや残虐描写もなくはないけどこの映画を楽しむメインポイントじゃないので、どちらかというと頭を使ったクライムサスペンスだったね。