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『サバービコン』 

半分は黒人家族が白人の街にやって来て受けた人種差別もの、もう半分はコーエン兄弟が1986年頃に書いた脚本のもので、保険金殺人を上手く使ったサスペンス。これらを1950年代のアメリカ調にやってのけた。

これ、コーエン兄弟の監督作品てもいいじゃんっていうぐらいオールドスクールなコーエン兄弟脚本のサスペンス。古くはヒッチコックの『ハリーの災難』の型で、『ブラッド・シンプル』や『ファーゴ』のようなメビウスの輪のサスペンス。一番近いのは『レディ・キラーズ』であの黒人のメイドを少年に変えた感じ。つまりは『レディ・キラーズ』ミーツ『ホーム・アローン』な作品にしあがっていて、シンプルなコーエン兄弟脚本作品のサスペンスである。

もう半分の人種差別ものは実話ベースで、普通50~60年代の暴動というと黒人の暴動だが、こちらは白人の暴動である。白人の街サバービコンの白人至上主義は徹底しているが、黒人家族のマイヤーズ家が基本的におとなしいので『ゲットアウト』ほどの面白味がなく、薄い。
一応、サスペンスパートと人種差別パートは隣同士ということでつながってはいるが、ちょっと惜しい作品である。

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