『ボストン・ストロング』
『パトリオット・デイ』と同じく2013年4月15日のボストンマラソンを題材に、被害者ジェフの再起のヒューマンドラマ。
このジェフのおかげで事件の犯人が捕まったことから「ボストン・ストロング」の象徴、英雄みたいに祭り上げられたが、そこからの人間ジェフ・ボーマンの再起を描いている。
ポイントは主人公ジェフの頑張りとか奮起ではなく、むしろ弱さやボンクラ、ダメっぷりを描いている。
また、このジェフを「ボストン・ストロング」の英雄として持ち上げようとする家族たちも実に人間臭く味わいがある。このボーマン家周辺のコミュニティに『男はつらいよ』の「とらや」周りのコミュニティのダメアメリカン版とでも言うか。このボーマン家、そして世間一般の人が抱く「ボストン・ストロング」の一人歩きっぷり、幻想による迷走も見所。そして何度も家族とジェフに振り回される恋人エリン。
これは単なるテロ事件の犠牲者のお涙頂戴ではない。重厚なストロングな人間のヒューマンドラマである。