フォロー

『パターソン』は主人公パターソンのバス運転手へのブルーさはあきらかにジャームッシュの盟友アキ・カウリスマキをも意識している。
カウリスマキ映画で言う『パラダイスの夕暮れ』が最も近く、『街のあかり』にも多少通じる。いわゆる、『タクシー・ドライバー』のイズムを持つ作品。
清掃局員と警備員、タクシー運転手にバス運転手。決してヒーローとは程遠い、日陰者、ブルーカラー達。そんな彼らの共通口は“女性”がキーワード/キーポイントになる。それぞれ女性の使い方は違えど、これらの映画を語る上で欠かせないキーになっている。
『パターソン』のパターソンと彼の妻を見る時のポイントはお互いの性格・行動。まさしくパターソンの“静”に対して、妻の“動”。パソコンも使うし、物も買うし、活発的にバザーでケーキを売ったりする。しかもインド人。いったい、どこにパターソンが彼女と仲良く暮らせる要素があるのかとも思うが、性格が違うからこそ仲が良い、と考えるしかない。夫婦喧嘩を拒否し、排除した点で小津の『お茶漬けの味』や成瀬の『めし』とは逆位置でもあり、より日常的である。

ログインして会話に参加
映画ドン-映画ファン、映画業界で働く方の為の日本初のマストドンです。

映画好きの為のマストドン、それが「映画ドン」です! 好きな映画について思いを巡らす時間は、素敵な時間ですよね。