『パターソン』を観て思い出したのは、行動のパターン化という点では小林政広の『愛の予感』にそっくり。
あと、タクシーをバスに変えた『タクシー・ドライバー』とも。映画館で映画を観るシーンもあるし、『タクシー・ドライバー』といろいろと比べるとほとんど逆位置の映画になっている。
トラヴィスの孤独・独身に対してパターソンには異文化の嫁がいて仲が良い。
トラヴィスの社会への不満に対してパターソンには特に不満はない。
トラヴィスの夜を生きるタクシードライバーの世界に対して、パターソンは日中を生きるバス運転手。
けど、そんなパターソンにも詩人として大成したいささやかな野望があるが、10歳ぐらいの女の子にも負ける絶望的なセンス。
逆位置でありながら、トラヴィスに感じるブルーさをパターソンには感じ取れる。