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『ビューティフル・ボーイ』② 

どんなに親に愛されようが、素敵な景色、音楽、家族に包まれた多幸感溢れる生活を送ろうが、麻薬/覚醒剤/大麻にから得たハイ、多幸感への渇望・魅惑には勝てず、ズブズブ堕ちて行く。
『トレイン・スポッティング』や『スパン』はクズな奴らがクズな生活を忘れ、最大の娯楽・快楽としてドラッグがあったが、『ビューティフル・ボーイ』の場合はその必要が全くないはずの比較的幸福な少年が陥ったドラッグ地獄。彼の暮らしが決して悪くないだけにドラッグに墜ちる地獄の描写との落差が激しい。

誰でもやってる、簡単にドラッグが手に入るが故のドラッグ地獄。それも、父デヴィッドも全くやってなかったわけじゃない、というのもミソである。

父デヴィッドが音楽ジャーナリストなだけあって、ニルヴァーナやニール・ヤングなどの音楽がかかったり、ポスターやTシャツなどからも90年代カルチャーを楽しめる作品でもある。
『キャプテン・マーベル』に続きここでも出てくる90年代のロックのアイコン、ニルヴァーナ。設定時代は2000年前後だろうが、90年代後半のアメリカらしさもある。

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