『サンセット』初見
これは非常に見応えがあるヨーロッパ映画だった!
1913年の第一次世界大戦直前のオーストリア=ハンガリー帝国のブダペストの高級帽子店を舞台に、20世紀初頭の明るいヨーロッパの空気が徐々に不穏の空気に毒されていく。
主人公イリスはトリエステの帽子店からブダペストの基は自分の両親が取り仕切っていたレイター帽子店にやってくるが、代替わりした店主に追い返されつつも生き別れの兄の存在を求めに度々店に訪れる。要はイリスの兄探しと兄と家族に纏わる情報集めにイリスが1913年のオーストリア=ハンガリーをさ迷うミステリー。
その兄に関する話がいずれも不穏で、イリス自身もあまり歓迎されないながら周辺にいる。そこから醸し出される良からね空気が、一見地味な女性映画と思わせるシズル感とは違った空気のドラマを掴んでいく。