『ROMA/ローマ』(2回目)
雑に言えばメキシコ版『ALWAYS 三丁目の夕日』。吹き抜けの二階建てで部屋がいくつもあって、女中2人に運転手と思われる下男1人で主が医者の家庭、といわゆるブルジョワの家庭を描いてはいるが、主人公の女中クレオの目線なのでメキシコの方にとってこの映画に映る物はレガシーでありノスタルジーであろう。
何よりも凄いのが1970/71年の風景、雰囲気の再現である。モノクロでワイドに広がる1970年のブルジョワの家庭の風景や市街地、舗装されてない郊外の風景から醸し出されるその時代の雰囲気はその時代を再現した作品、さらにはその当時の映画よりもびんびんに感じとれる。
女中クレオの恋や妊娠、旦那の浮気を知る妻など、全体的に女性目線のストーリーで同じくアカデミー賞を争った他の作品と比較しても淡々とした作りではある。
冒頭とラストカット(エンドロール)が地面と上空で対比になっているなど映像で見て色々と感じさせる作りになっている。