『運び屋』2回目
思えば思うほど、
アール・ストーン=クリント・イーストウッドにダブる。
家族と居る時間をおざなりにして花を育て品評会で周りから称賛されるアールだが、その花を「映画」に、品評会を「アカデミー賞」と考えればかなりしっくりくる。奇しくも冒頭のシーンの2005年にイーストウッドも『ミリオン・ダラー・ベイビー』でアカデミー賞を総なめした年だ。
後半のアールと病床のメアリーとの一時も『ミリオン・ダラー・ベイビー』の後半部を匂わせる構図だし、ラストの潔いアールの決断もまた『ミリオン・ダラー・ベイビー』を思い起こす。
要は金では買えない時間や家族との一時をテーマにし、それと対極の位置に仕事、お金を置いている。