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「マンチェスター・バイ・ザ・シー」、ネタばれあり感想2 

世捨人のごとく余生のような人生を生きることにするリー。もうマンチェスターに帰ることはないだろう。でもいつか兄の遺したパトリックが訪れて欲しいという思い。

リーは女との接触を頑なに拒む(このリーが性的な魅力のある存在として描かれるのには違和感がある)。バーでナンパしてきた女の子はカウンターごしにこちらを見る。それでもリーは正面の中流層と思われる男たちに難癖をつけて殴りかかる。男とのフィジカルなコミュニケーション、しかも会話のないコミュニケーションを選ぶ。それは自分を許せない怒りを解放させたいだけではなく、許せない自分を誰かにぶちのめして欲しい思いもあるように思える。

リーが女性と密接な関係を持つことに抵抗感があるのは単に自分を許せないからだけではなく、女性への無意識な嫌悪感情があるからに見える。

リーには最早人に対する優しさや思いやりといった感情がない。人に何かをしてやるということを放棄している。自分のことだけをして生きる。もう誰かの人生には関わりたくない。愛という感情を持つことに怯えているようにも見える。

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