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「マンチェスター・バイ・ザ・シー」、ネタばれあり感想 

傷を負った男が兄弟の遺した子供と過ごすことで傷が癒され、赦しを感じる物語、にしなかったことはとても良かった。傷や自分が罪と感じるものはその相手が直接許してあげること以外には癒えない。リーは永遠に自分を責め続けるだろう。

妻も新しいパートナーとの間に子供を設け自分のいた街に帰っていた。妻は過去を克服した、あるいは克服しようとしている。ジョーの葬儀に参列したのは埋めることのない傷すらも自分の人生と認め、かつて愛したリーのこと、リーを責めたことも引き受けようとしている。偶然リーと遭遇する時まで赦しの言葉をかけることが出来なかったのはタイミングの問題だったろうし、今更娘たちを失ったこと全てをリーのせいにした自分をも責めて許せなかったからだろう。

リーはパトリックと暮らすことをギリギリまで考える。だが妻はこの街で新しい人生をこの街で始めようとしている。リーは"I can't beat them."と言う。beatという言葉が出てくるのは相当に強い表現だ。自分の罪を許すことは出来ないが、妻がこの街で別の幸せを育んでいる。これは耐えられない。

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