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「万引き家族」
貧困、虐待、万引き、年金不正受給…等々、思わず反応してしまうような要素がたくさんある。(反応はそれぞれではあるが)目に付きやすいのだ。
現実では、それらは、見過ごされたり、見つけるのが遅れることも多く、それ故に、その連鎖が止められない。社会のセーフティーネットから、こぼれ落ちてしまう。当事者は、受け止める場所があることさえ知らないこともある。
この映画は、フィクションであり、そこに描かれるのは、現実そのものではない。しかし、観客に、様々なことを想起させるきっかけをつくってくれる。現実と結びつけずには、いられないと思うのだ。
鑑賞後、心に棘が刺さったような気がした。もし今後、虐待や貧困…etc、について見聞きすることがあれば、チクチクと棘が心を刺激し、無視することはできないだろう。
是枝作品を見ると、どうしても灰谷健次郎を思い出してしまう。描かれるのは、決して現実ではないが、作品に触れる者の心を刺激し、現実に目を向けさせるような力があるのだ。

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