Pariyerum Perumal (Tamil - 2018)をオンラインで。
ダリト・リベレーションの注目すべき一作。リアリズムに基づいた激烈なカースト間コンフリクト(ウルトラ暴力を含む)と、青色を多用した夢幻的で象徴的なシーンが混じりあい、くぎ付けにされる。パ・ランジットがKaalaでやろうとした仰ぎ見るダリト像の確立とは別のベクトル。ダリト差別以外にも、異性装者差別などもむくつけに描かれる。平凡な石工のおっさんが、密かに行われる名誉殺人の請負人であるとか、地方都市の生々しい描写が凄い。主演のカディールは眼力強い系のイケメンだが、娯楽映画ヒーローのような完璧人格ではなく、クオータでカレッジに入りながら今一つ勉強に打ち込めない(というか勉強の何たるかが分かっていない)若者としてまず提示され、そこから手酷いイニシエーションを経て立ち上がる者として描かれる。このヒリヒリとした感覚と比べると、やはり『世界はリズムで満ちている』は甘すぎるという思いを新たにした。カラガッタムを職業的に踊る男性とか、主人公の名前の由来であるHorse riding godなど、もっと知りたくなる部分も多かった。