Seethakaathi (Tamil - 2018)を川口スキップシティで。
デビュー作NKPK(2012)でブッ飛ばされたダラニーダラン監督の6年のブランクの後の一作。正直なところ、NKPKには及ばなかった。しかしまあ、意表を突く展開の凄さ。トレーラーを見て想像していたものを卓袱台返ししてくれた。一言で言えば映画界へのサタイアなのだけど、それを演劇界の老優にやらせた。サタイアなのだからリアリティーがなくとも文句言っちゃいけないのだろうけど、本当にタミルの衆は、演技力というものを崇めてカットアウトまで立てちゃうものなのか。やはり俳優へのカルトな崇拝を生むのは演技力よりも身体性ではないだろうか。それが一番引っかかった点。それから作中でまるで稀少な宝石のように扱われていた演技力というものの実態。それから終盤の尻すぼみ感。転げまわって笑った後にジーンときたNKPKに比べると弱い。しかしもちろん高く評価すべき面もある。すっかり大物になったVJSのおんぶに抱っこを避けた意地。そして相変わらずの言葉遊びとかそういったものに頼らずに生成する抱腹絶倒の笑い。VJS以外はほぼ無名の俳優たちを使って見事。