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非常に評判が高いが手放しで絶賛はできない。カメレオンのように何度も表層が変わる作品。最初は定職に就けず危ない橋を渡る若者のスケッチとして現れ、次にはホラーに行きかけ、その後はネイチャー&アドベンチャー系、そして大自然彷徨の末に神秘的な体験を経て下界に戻るというもの。長い。とても2時間半を切るものとは思えず。劇的な改心を描くためには必要な長さなのだとは思う。親子の情愛も、男女の愛も、先住民の抑圧の歴史も、束の間浮上するが、クライマックスに至る前に末端水系のようにどこかに消える。壊滅的な駄作だったPhotographer (2006) からこっち、マラヤーラム映画には一定数の大自然交感系作品が現れるようになった。他の言語圏ならば外国にでも行く自分探しに、ケーララの衆は自州の西ガーツに向かうんだ。これは結構特異な現象ではないかと思う。トレッキングの退屈さ、パーティーの中での人間関係などを事細かに描いた後に、一人になった主人公がこれまでの人生のもがきを高いところから眺める。しかしトライブのエピソードがが置き去りにされたのがが心残り。

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