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『バジュランギおじさんと、小さな迷子』Bajurangi Baijaan (Hindi - 2015)を試写で。 

既にDVDで鑑賞済だったので、細部のハヌマーン信仰との呼応を考えながら見ることができた。ハヌマーンの特質は①武闘派(怒らせると怖い)②単細胞で一途な心(嘘がつけない)③童貞④自身がラーマ神に対する信仰者であること、というあたりにある。そして作中ではこれが見事にキャラクター設定に活かされているのだ。同時に、バジュラング・ダルに代表されるようなミリタントな原理主義者たちの旗印になりやすいということも。実際に最初のソングのようなサフラン色/赤色の洪水は、使い方によってはマイノリティーに対してかなり威圧的なものになるはず。そしてもちろんそれがストーリー全体に劇的な効果をもたらす。さらに加えて、ハヌマーンは一般信徒から崇拝されながらも、自身はラーマ神の一途なバクタであるという点。これが決め台詞であるJai Sree Ramに結実している。つまりヒーローはもちろんヒロイズムを発揮するのだが、観客の崇拝を一身に浴びるのではなく、その先にある真の神への信仰にいざなうという構造。脚本の勝利。

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