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TUFS南インド映画特集上映にてAstu - So Be It (Marathi - 2015)。邦題は『あるがままに』。 

アルツハイマーの老人がちょっと目を離した隙に行方不明になるというのは、GBSMそのままだが、病状の描写は本作の方が比べ物にならないほどに細やか。別に糞尿を垂れ流すようなシーンがあるわけではないのだが、老耄の悲しみを余すところなく描き尽くした感じ。自分の親のことが気がかりになるかもと予想していたが、なぜかむしろ将来の自分の発症が心配になってしまった。字幕の一部に「恍惚の人」というフレーズがあり、昭和時代の有名小説の造語パワーを再確認。それから、全く別の映画作品に出てきたastuという台詞の訳にしばらく悩んでいたのだが、気がつけば本作の題名だった。全く無関係なところでのコノテーションが、別の疑問を氷解させるというのは時々起こる。本作にはカンナダ語ネイティブのキャラが登場して、最後の決め台詞を口にする(それ自体はマラーティー語だが)が、その周辺性が胸に迫る。しかし前もって知っていなければ、カンナダ語が話されていること自体にすら気付かず終わった可能性がある。幸運だった。

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