Arjun Reddy (Telugu - 2017)をDVDで。
2017年最大の話題作。インパクトとしてはバーフバリ2よりも上だったのではないか。一言でいえば21世紀版のデーヴダースなのだが、もちろんDevDとは全然違う。共感はゼロだが面白い。共感しえない最大の要素は愛の芽ばえの描写。凶暴な番長風上級生がいきなり「お前が気に入った、お前は俺の女だ」と強引な告白を衆人環視のもとで行い、それでも女の子は相手を好きになれるのか(そして肉体関係を結べるのか)。そもそも1、2歳の違いで年長者が暴君のように振る舞える学園の掟というのが理解を超えてるし。しかし、面白いと思ったのは結婚という区切りによっても相手を諦めないというしぶとさの部分。他人と結婚し妊娠もしている相手と、それでも結ばれようとする愛の形は、これまでのインドの恋愛映画にはなかった。このあたり、テルグ映画が伝統的にもつ無茶な楽観を引き継いでいるようで面白い。それと、実利的でしたたかでしぶといインド人が、失恋によって立ち直れないほどの痛手を負うという現象、これがどうも映画だけの絵空事ではないというのが察せられて不思議な気持ちになる。