町屋の会で『カランとアルジュン』(Karan Arjun, 1995)を。
盛期ボリウッド様式のようなものを久しぶりに見た。輪廻転生が主テーマだが、神話との親縁性もあるとこのとだったが、アルジュナとカルナのツイストはストーリーライン上にほとんど認められず。むしろカーリー女神信仰が前面に現れるのだが、正邪のどちらもが女神を崇拝しているというのが面白い。華やかであるべきソングシーンが曇天の下で撮られているなど90年代っぽい大雑把さも。リベンジものとしては同じ監督のKhoon Bhari Maangの方が心に沁みる。ヒロイン女優のソングでのあられもなさには冷や汗が出る、この感覚は久しぶり。そのヒロインの一人、マムターがあられもなく迫るのを、サルマーンが逃げるでもなく受け入れるでもなく、微かにほほ笑むソングシーンの演出が奥ゆかしくて良かった。