Malayankunju (Malayalam/2022)をオンラインで。
トレーラーはおろか、タイトルの意味すら知らずに臨み、おわっとなる醍醐味を久しぶりに。イドゥッキの山中で電子機器修理工で生計を立てる狭量で神経質な男。しかもカースト主義者で、村の食堂に行っておきながら、大皿の共有を拒むためわざとこぼしてしまったりする男。最上位カーストでも、経済的上層階級でもないのに。部族の血を引く男と駆け落ちした妹を許さないし、すぐ隣に住むマラヤン・トライブの夫婦の間に生まれた新生児の夜泣きを疎ましがる。そこに(たぶん)2018年大水害が訪れてサバイバルドラマになる。以前のビエンナーレで見たインスタレーション「洪水はあなたから何を奪ったか」のThe flood took away the unnecessary thoughts I had.を思い出した。本作のレビューに「カミング・オブ・エイジ」物語としているものがあって虚を突かれた。たしかにこの主人公はガラガラをもって暗い穴から世界に出てくる。そのあたりの組み立ては色々うまい。イドゥッキのような山岳地帯ではトライブとの共存が日常なのだと分かる。