Court - State vs A Nobody (Telugu/2025)をNTFLXで。
2012年に制定されたPOCSO法(Protection of Children from Sexual Offences Act)を巡る法廷劇。これが制定され、18歳未満への性暴力がより厳しく処罰されるようになったらしく、またPOCSOで起訴された場合、被告側の法廷での弁護がより困難になるという含意があるようだ。低カースト低層の少年が極端なカースト主義者である地方政治家の姪と恋仲に陥ったために虚偽の告訴を受けて拘束され、長期間保釈も許されず、判決言い渡しまで週末の2日を残すだけというところからの逆転劇。性犯罪にまつわるものが取り上げられた場合、女性が被害者というのが紋切型になっているところに、本作の意外な設定は目新しい。というか、本筋としては俎上に上がっているのは性犯罪を巡る法廷闘争ではなく家父長制的ミソジニーの批判なのだ。法廷でのアリバイ崩しはあっけないほど単純。一方カースト主義ミソジニストの造形も分かりやすいが、シヴァージ(かつては半端イケメンだったんじゃ?)の名演が迫真性をもたらした。