10DANCE(Japan/2025)をNTFLXで。
「黒いドレスは着たことがない」のくだりがよく分からなかったんだけど、ネタバレ解説でやっと理解した。それにしても、競技ダンスというものは、フィギュアスケート(ペア)と同じく、芸術点という曖昧なものが勝敗を左右する難しさを抱えたスポーツであり、性別による露骨な作業分担があり、もっと言えば性差別があるのは自明のこととされていて、「フォロー」の肉体的な苦痛もはっきり台詞で示されているのがなんとも。ジェンダー間の不均衡を内包した競技世界なのだ。本作に登場する女性たちは、いずれもヘテロ自認の主人公たちの恋敵にはならない位置にいる。主演の男2人が踊る時、どちらがリードでどちらがフォローなのかについては性的な隠喩があると見ていいのか。腐女子によるブラックプールのタワーの電飾についての汚れた心の解釈を読んでギャハハと大笑いできるのはBLだからこそで、ヘテロなら後ろめたさが伴うだろう。後ろめたさを感じなくていいのかというのはあるが。しかしこれが大手配信により世界的に配信され、ヘテロの人気俳優が当たり前にホモの演技をするとは、世界は変わったものだと思う。
10DANCE(Japan/2025)をNTFLXで。
それに対し頑なにミソジニー的世界観に固執するのがインドなどで、これもまた難儀な世界だと思う。翻って日本で腐女子世界に浸ってきた一部がインド映画のファンとなり、ミソジニー的ヘテロの物語にBL味を見出して消費する現象は興味深い。これもまた日印のファンたちの同床異夢の最たるものか。日本の腐系ファンが大喜びするのはバディ系(R3、グンデー、WAR、マーク・アントニー、一定程度はBHBLも)で、喜び方が本国ファンと全然違う。いずれ同床の異夢は醒めて、鋭く対立したりする日が来るのだろうか。批評ではこれがよかった。https://www.elle.com/jp/culture/movie-tv/a69825023/numachu-10dance-ryoma-takeuchi-and-keita-machida-251222/