Ponman (Malayalam/2025)をオンラインで。
知人が激賞と聞いて。先日再見のMangalyam Thanthunanenaに続き、金の宝飾品へのオブセッションを描くものだった。冒頭のコッラム讃歌は面白い。KUBOの世話物に特徴的だが、ヒロイズムを体現した登場人物がおらず、誰もが強欲・虚言・自己中心・暴力などの欠点を持つ一般人なのだが、その許容範囲がどう考えても日本人よりも広い。借りたものをごまかして返さないという時点でヒロインの一家は極悪サイコパスだと思うが、決定的な罰は与えられない。見る文化人類学だ。ラテン・カトリック家庭での持参金をめぐるハードコア・コメディー。結婚式出席者が祝い金を出す習慣や、ダウリの金製品ブローカー業は初めて知った。三分の一ぐらいから登場するアジェーシュは見かけはともかく、超人ヒーロー然として不敵な笑みを絶やさず、肉体的に優位な相手に対しても仕掛けたり挑発したりするが、いざ戦いになると全然強くない。不敗のスピリットだけがある感じ。マラヤーラム語映画はコメディーの体裁で一般人に潜む獣性を淡々と描く。 極悪島のロケ地はMunroe Thuruthu。