Manada Kadalu (Kannada/2025)をオンラインで。
ヨーガラージ監督作は久しぶり。レビューで監督としてオワコンに差し掛かったなどとも見ていたので恐る恐る。まあトータルに言えばオワコンに近かった。ヨーガラージという人は、ヒーロー然とした主役が好きではないみたいで、へなっとした非筋肉系男優をよく使う。今回もそうで、未熟で頑な、世を拗ねていながらお花畑、幼児性の抜けきらないヒーローが、瞳孔開いてるんじゃないかという変なテンションであれこれしでかす。まあそれと、2025年にもなってトライブの扱いはあれでいいのか問題。しかしイメージの連鎖は美しく、特に水滴から大海原に至るまでの水の表現が素晴らしい。また薬草を探して西ガーツに分け入るシーンは『マレナード物語』を思わせた。そしてソングのいずれもが、素っ頓狂なイメージを交えながらも色彩設計や透明な空気感などにおいて優れていた。テーマは医療で、様々な形での癒しが現れる。ただし、最初のほうでの主人公のキレ方でこいつは医療に携わっていい人間じゃないと感じさせるのはマイナス。体だけじゃなく心を癒さなければ人は病から回復できないと言いたげ。