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Nayakan (Malayalam/2010)をDVDで。10年ぶり以上2回目。 

「あのリジョー」のデビュー作ということで心して観たが、初回と印象はさほど変わらなかった。凝れば凝るほどにストーリーや演技の粗が目立つ。タイトルロールからその映像美学は見て取れる。冒頭の車や親族の死を知った主人公が家に駆け付ける場面など、疾走するものを追うカメラの独特の動きはかなりの凝り方。唯一記憶に残っていたあの銃撃のシーンはハチの巣にされた男の頭部を後ろから撮り、穴の向こうに銃撃者の姿を見せるというものだった。これはスタイルというよりもある種のユーモアなのだと思った。インドラジットの抑えたものなのかぎこちないのか判断できない。ジャガティとティラカンという名優を揃えながらも、何か薄っぺらい。シッディクに色悪をやらせたのは意表を突くキャスティングで造形も巧いが、それもまた安手感をさらに増していることは確か。コッチとKLを舞台にクールな大都会をやるのは苦しいがうまくやった。対立する2つのギャング組織と謎のマジシャンJSとの関係を整理して説得力を持って描くことができれば、ストーリーにも引き込まれたのではないか。

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