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Sardar Udham (Hindi/2021)をインド大使館で。 

字幕はあの人。タイトルカードに「アムリトサルのウダム・シン」と一瞬出たけど、大使館サイトなどでは原題をカタカナにしたもので通していて、何だこれ感。商船を商戦としたタイポも放置されていた。上映中も20分以上照明がついたり、しょうもない。160分かけて描いたアムリトサル虐殺の報復者の生涯。埋もれたフリーダム・ファイターに光を当てるなら普通はこうするよなという描き方で、逆に改めてラージャマウリの異常さが分かる。体感で20分以上あったと思える歴史的な虐殺とその夜の生存者の救出シーンは、同じことの繰り返しの苦痛を観客に身をもって味わわせるという趣旨か。年号と地名を何度も表示しながらドキュメンタリー的な雰囲気を醸し出し、激烈な暴力の映像で揺さぶりにかかるという映像作法はアグニホートリ監督とも共通するものだけれど、本作にプロパガンダ臭が少ないのは、台詞に品格があり、また影響されやすい単細胞な聞き手役がいないせいか。仇討ちではあってもあくまでも革命の一手段としての暗殺(衆人環視のもとで)にこだわる主人公の陰鬱と微かな狂気の演技は見事。

Sardar Udham (Hindi/2021)をインド大使館で。 

もう一つ特筆すべき点は、作中ではスポットを当てた描き方をしていなかったが、ジャリヤーンワーラー・バーグ事件で実弾を発射した兵卒はほとんどがインド人だったこと。これは、本作を英国人への忖度でオスカーに出品しなかったことなどよりもずっと重要な、議論すべき点ではないか。それからジャリヤーンワーラー・バーグ事件の回想以外の大半の部分は英国を舞台にしているけれど、緑のイングランドの麗しさや日の沈まぬ帝国の首都の威容は意図的に描かれず、ただもうじめじめとした陰気な土地として表出されていた。また本作は、ヒンディー語で非ヒンディー語圏の英雄を描く映画群の一つとなる訳だが、英国人には英語を喋らせていた。当たり前のことに思えるが、英語とパンジャーブ語に非対照があることになる。

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