Hero (Tamil/2019)をオンラインで。
大いに推されて半信半疑で観てダレダレのグダグダになった。「Maaveeran」がよほど名作に思えた。スーパーヒーローと教育問題と、その他もろもろの社会問題をゴタマゼにした2時間37分。何が悪いって、まず悪役にリアリティーがない。なぜそこまで田舎の発明キッズを恐れなければならないのかが納得できるように描かれていない。そして落ちこぼれが適切な指導を受ければ凄いことを成し遂げられるという謎理論。それはどぎつい言い方をすれば優勢思想と言ってもいいもので、人間として生まれたからには何か役に立つことをしないと意味ないという功利主義の無邪気な信奉だ。インドの教育もの映画はだいたいそうだけど、突き詰めるとAmma Cheppindi (2006)のような恐ろしいものになる。役に立つ子がいい子であり、どんな子でも役に立つはずだというのは楽天的すぎ。役に立たない子は存在してはいけないのか。Gentleman (1993)の精神をリバイバルしたかったのは分かるが、中国のおっさんの発明みたいなレベルの技術で衛星もどきを打ち上げるところまでというのは雑過ぎる。