Vettaiyan (Tamil/2024)を川口スキップシティで。
50~60人程度しか来ていなかった。『ジャイ・ビーム』のニャーナヴェール監督らしい強いメッセージを持つ一作。パー・ランジットとのコラボに続き、ラジニがメッセンジャー役を引き受けた感じか。しかし、カマルの『Indian 2』に続いてまたしても観客に飲み下しにくい批判を突き付けたものとなり、特大ヒットまでは行かないのではないかとの予感。「エンカウンターという超法規的措置ですら、被疑者の社会的ステータスに応じて行われる」という事実を批判する。警察の捜査が予断に基づいたものであるという事情は前作と同じ。重々しい脇役たちを集めながら、それぞれの持ち味を十分に生かした配役と采配。脇役もエージェント・ティナに至るまで良かった。残忍な犯罪が行われ、それにより火のついたような反対運動が起き、それ自体が反社会的な性格を帯びるまでになるというあの国の恐ろしさをリアリズムで描いた。さらにそこに、民間の教育機構の利益第一主義というこれもまたポピュラーな問題提起を盛り込んだ。ラジニのアクションは極力殺さないが、やる時は銃で一思いにというスタイル。