Nanna Preethiya Hudugi(Kannada/2001)をDVDで。
『America! America!!』のナーガティハッリの作品だと知り膝を正して臨んだが、いくら何でも古臭過ぎた。同時期のファーシル監督と同じ、頭の中でこしらえた想像上のファンシー若者像。特に主人公の造形は決定的におかしかった。ド田舎の生まれで人前で鼻をほじるようなやつだけど、フルートの才能があるというのはまあいいとして、文化交流プログラムで渡米してもほとんど演奏してない。ソング&ダンスは完全にナラティブを中断する作りになっていて、イライラさせる。アメリカの消費文明批判はソングの中だけでおっかなびっくり行われている。もっとも痛烈に批判されているのは、その消費文明に乗っかりながら、インド文化の保持を声高に叫ぶNRI富裕層に向けられている。ただしそれも幕間のコメディーとして終わり、ヒロインの両親の頑迷は別にアメリカに限ったことではないワンパターン。リードペアはそれなりに評価できるとレビューに書かれてるが、何か事情があってそう書いたとしか思えないぎこちなさ。マレナードのパートに尺を割いてたら楽しめて他かも。