フォロー

Ahaan (Hindi/2019)を試写で。 

ダウン症をもつ男性と周囲の人々との物語というだけの前知識で鑑賞。何は措いても福祉の観点から鑑賞すべき作品なのだろうけれど、メッセージの重苦しさは全くなく、メガロポリスであるムンバイに住む、中産階級の無名人たちの緩い日常が展開する中で見ている方も肩の力が抜けていく気分になる(ギャングもテロも悲惨な大事故も起きないムンバイ)。主人公とかなりコントラストをなす存在として潔癖症/強迫性障害の男を出してきて、その2人の間の通常はあり得なさそうな友情を巧みな脚本で納得できるものとして組み立てた。主人公のアハーンはダウン症に特徴的な容貌をもち、何もせずとも病名が分かる人物だが、症状は軽い。彼は多くの女性たちに自然な付き合いをさせるが、一方で男性は彼を遠ざけようとする。彼が夜の浜辺で佇んだ後の出来事、恋路の行方など、描き過ぎなかった省略の美学は効果的。一方でロールモデル的な人物の母親に長々と話をさせる割に当人に関する情報がないのは気になった。潔癖症男は、この後のパンデミック時代になればむしろ推奨される生き方だったのではないか。主人公が英語を話すのも印象的。

ログインして会話に参加
映画ドン-映画ファン、映画業界で働く方の為の日本初のマストドンです。

映画好きの為のマストドン、それが「映画ドン」です! 好きな映画について思いを巡らす時間は、素敵な時間ですよね。