Mahaan (Tamil/2022)をオンラインで。
カールティク・スッバラージのラスト1本。ガーンディー主義者の家系に生まれた息子でガーンディーと名付けられた教師が、たった1泊妻が家を空けたその夜に、少年時代の遊び友達だった密造酒屋の息子と再会し、羽目を外す。翌朝取り繕うとしたがバレて、憤激した妻子は出奔してしまう。諦めた男は旧友の商売に参加し、やがてリカーバロンとなっていく。しかし思い詰めるタイプの母に連れられ北東インドの新興宗教施設で育った息子は、父への怒りを募らせ、父に道を外させた者たちに合法的に復讐するため警官になる、という物語。最初からOTT公開作として作られたのかどうかは不明ながら、かなり大胆なメッセージを含む。まず飲酒の礼賛。例のうるさい注意書きが全く現れない。そしてガーンディー主義も教条性が極端になると人を抑圧する装置になるという、至極まっとうだがインドでそれを言うのには勇気が要りそうな主張。そのせいか現地レビューは芳しくない。しかし、インド人の大雑把すぎる歴史認識、聖者に祭り上げた存在の前での思考停止の傾向を考えると、このような主張が出てきたのは大したことに思える。