Kamaraj (Tamil - 2004)をDVDで。
邦題は『カマラージ』、癖のあり過ぎる日本語で疲弊。素朴な編年体で紙芝居のように人生の各フェーズの出来事が展開。副題でキングメーカーという割にはコングレス内での立ち回りについてはあまり描写されない。敵役としてまず1954年までのCMラージャージーが現れ、次のDMKの面々、しかし決定的なのはインディラー・ガーンディー。ドラヴィダ運動の高まりでタミル・コングレスがジリ貧になった時に、バラモン出身でない代表を求める声に押されて党首となり、CMとなった。DKやDMKとの間の舌戦は、はっきり善悪を分けない配慮の元で並置される。カルナーニディなどとは異なり、カーマラージは映画に対して比較的冷淡だったことが暗示されるエピソードもあり、興味深い。CM位を1963年に勇退した後は、1964-67年の間は中央で会議派総裁を務めたが、自身がPMになることはなく、シャーストリやインディラーを権力の座に押し上げた。しかしインディラーの非常事態宣言下で末世を嘆きながら眠るように息を引き取った。ミッド・デイ・ミールスの創設など教育に力を振り向けた点が強調される。