Annapoorani: The Goddess of Food (Tamil/2023)をNTFLXで。
設定は大変興味深いが、中途半端なメロドラマと、〇か✕かデジタルに勝負をつけるスポコン形式クライマックスを設けたせいでちぐはぐな印象。カースト禁忌と女性としてのハンデ、恵まれた育ちのライバルに加えて難病ものモチーフまで入れて、ヒロインの達成へのハードルを上げたのはいいが、それを絵解きするために挿入されるアニメがセンス最悪でしらける。監督ニレーシュ・クリシュナは過去作にマラーティー映画が1本あるだけ。ナヤンに加えて、ジャイ、サティヤラージなどRaja Raniの同窓会的なキャスティング。ジャイは脇役に徹すると割といい。ただし、アイヤンガール・バラモンの典座職にまつわるあれこれとか(お母さんは生理中の禁忌で調理場から遠ざかっていた)トリビアは捨てがたい。まあそれと、あざとくはあるけれどもインド的な宗教シンクレティズムを示そうとした点は分かった。各種のセンチメンタリズムを抑えて、味覚の天才がその能力を伸ばすところだけに絞った方が良かった。それと高級料理とは西洋料理であるとの偏見も出ていた。