Adipurush (Hindi/2023)をNTFLXで。
暑さを理由にダラダラしてる自分を罰したいような気持になったので鑑賞。3時間を2回に分けて。何と言うか、軍記ものとしてのラーマーヤナで、造形としてはアメコミやRPGの煤煙にまみれた近未来ディストピア都市の廃墟、巨大化した害獣の跋扈する世界、みたいなものになっている。屋内・野外ともにすべてがVFXアニメーションで、人間だけが実写、ただし重度なCG加工が加わることもある。バドラーチャラムの森は北米の亜寒帯みたいだ。そうしたセッティングなので、芝居としては演じ手の顔の力がものを言うことになる。リードペアは見どころなし。美男美女を並べればエピックになるというものではない。ラーヴァナ、ハヌマーン、ウィビーシャナ役の俳優は良かった。プラバースの代わりにNTRだったらどうだったか、ジェヤム・ラヴィだったらどうだったかと思わないでもない。3時間もあるのにいわゆるソングは1曲、チンタラしたラブソングだけでダンスはなし。そのラブソングのシーンですら、空気は影をはらんでいて、ひたすら重い。ラーマーヤナ物語を演劇というルーツから切り離そうとする試みか。