Vinodhaya Sitham (Tamil/2021) をオンラインで。
聞いたことないタイトルだと思ってたらZee5オリジナルだった。かつての名監督であるサムドラカニがRRRの脇役としてのみ注目を浴びていることに微妙な気持ちを持っていたのだけど、これはまたどうしたらいいのかという出来。モーレツ社員(死語)みたいなおっさんが交通事故で死んで死神としての「時」の迎えを受けるが、さんざんゴネて90日間の執行猶予を得て人生の総決算をして、最終的に成仏するまでを描く。もう導入部を見ただけでゴールまでの一本道が見渡せるタイプのファンタジー。死神にはヒンドゥー教の神懸かったところはなく、ただ「時」とだけ名乗るのだが、しばしば御者クリシュナのポジションにはなる。また別の時にはヴィクラマーディティヤ王の背中に乗るべーターラにも。ソング・ダンスは一切なし。ランタイムは99分だが、見通すには忍耐が要った。家族内のゴタゴタは、大体予測の範囲内だし、プロットとしてはどれも薄っぺらかった。面白かったのは最後の方に出てきたマダン・ゴーパールとサティヤのエピソード。これらこそが綺麗にまとめきれない人生そのもの。