Maamannan (Tamil/2023)を川口スキップシティで。
着席率は4割程度か。タミル人はさほど多くなかった。マーシャルアーツの恩師役はカラテ・ヴェンカテーサンに見えたが確認できず。Dojoという語が字幕にあった。ヒーローが乱闘になると滅法強い合理的な理由が示されるのは新鮮。前半の父と子の葛藤の物語は見ごたえがある。自分は椅子に座らない父が、しかし負い目を持っている息子に対しては座れという、しかし自分だけが座ることを拒否する息子との葛藤が暴力沙汰に発展する。このハイライトが中盤で使われてしまったのがちょっと惜しい。例によって象徴的な事物(馬に乗るファハド、豚を逃がす少年期の主人公など)が多いが、嬰児がつるされた夜の木の情景は、心象風景なのか実際に起きたエピソードなのか判断つかず。後半に登場するラール演じるCMは人格者というあつかいだが、これはウダヤニディの父への忖度か。そもそもウダヤニディが本作に主演することの危うさというか現実と虚構との紙一重感が落ち着かない気にさせる。『パリエルム』と同じく、ヒロインはカーストの格差など聞いたこともないような無辜の存在。セーラムの風景が新鮮。