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Viduthalai Part 1 (Tamil/2023) をイオンシネマ市川妙典で。 

ヴェトリマーラン、長編としては2019年のAsuran以来。西ガーツ山中ティンドゥッカル地方の僻村でのナクサル対特別警察の闘い。巻き添えを喰らう部族民、外国資本による鉱物資源採掘と、全部お決まりなのになぜこうも面白いのか。主演のスーリの身体性が立ち上がっていることは、予告編を見た段階で分かっていた。コメディアンとしてはヘン顔と黒い肌だけが突出していたのが、主役となって一気に全身が立体的になった。中年の入り口に立とうとしている男のいがら臭さ、篤実さを物語る丸身を帯びた造作、風雪に刻まれたゴルゴライン、白シャツの下の立体的な体躯などなど、ドギマギするほどに具体性を持って迫ってくる。この身体性を獲得した後に再びコメディアンに戻れるのかと心配になるくらい。一方VJSのキャラは2では膨らむのかもしれないが、本作中では敢えてグラマラスな悪役ぶりになることを抑制しているように感じられた。冒頭の列車を狙ったテロ現場から始まり、村の粗末な診療所、大石を乗り越えるジープ、終盤の屋根伝いの八艘飛びまでリアリティーが凄い。

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