わたしはバンドゥピ(반두비、Bandhobi、2009)をユーロスペースで。
イスラーム映画祭にて。以前別の映画祭で『ソウルのバングラデシュ人』の邦題で上映されたという。旧題で大体どんな話かは分かり、その通りだった。先進国的贅沢な悩みを抱える幼い17歳と、チッタゴンから来て肉体労働に従事し、韓国語も流暢に話すバングラデシュ人。この二人の対比からは当然韓国社会への痛烈な批判しか生まれず、実際青年は直截に「韓国人は醜い」という台詞を口にする。少女は自分の知る唯一のやり方で彼を慰めようとするが、それは過激すぎて失敗する。やっと二人が心を通わせたところで青年は不法滞在で捕まり強制送還される。少女は家を出て自立を模索する。全編を通してイタいのは、韓国とバングラデシュとの間での互いに対しての情報の不均衡。舞台は韓国だから仕方ないのだが、青年は韓国語をマスターし、韓国社会の隅々を知悉しいる上に、英語の世界の隠語まで知っている。それに対し、少女を始めとした韓国人キャラはバングラデシュについて何も知らない。終盤で彼女がバングラ飯屋で手食をするシーンも逆にイタい。ベンガル語を学ぶシーンだったらよかったのに。