Hamid (Hindi/Urdu - 2018)ををTUFSシネマで。
邦題は「ハーミド~カシミールの少年」。金子淳氏の解説付き。TKF以来意地になって観続けているカシミールもの。「無垢な子供の目から見た」系だと困惑するだろうと予測してまあそれは当たっていたのだけど、電話番号を巡り対立する2者が奇跡のように繋がるという面白い展開があった。ただそこから何かマジカルな飛躍が起きるのではなく、ごく常識的なやり取りで終わってしまったのがやや不満。サウス映画で主人公がカシミールに出掛けて行き、悪いムスリムをやっつけ、良いムスリムから感謝されるという頭悪いプロットを見慣れているので、本作のようなものをやはり見続けていかなければという気になる。解説で冒頭近くで父がほんの数分間行きずりの葬列に加わるシーン、あるいはゲリラの葬儀なのかもしれないとの指摘、あああと思った。I amにあったように、普通の人間がゲリラと化すような状況があり、だからこそ軍も住民すべてが信用できずに簡単にぶっ放す状況がある。父親の書いた詩と軍人が朗誦する愛国詩とが対照されるシーンが興味深かった。出てくる詩はいずれも素晴らしかった。