Sita Ramam (Telugu/2022)をNTFLXで。
御曹司ものではないので、オフビートなロマンスなのだろうけど、妙に評判が良いのが気になって。純愛に印パ愛国モチーフを絡めたフェアリーテイル。御伽噺なのでパキスタン人がテルグ語を話すとかそういうところはいいんだけど、紛争地帯でのエピソードが全体的に雑なのが気になった(シーターは何をしにシュリーナガルの寒村に来ていたのか、高位軍人の孫であるワヒーダーがテロリストが潜む寒村にいたのは何故なのか、傲慢な上官クリシュナが途中でラームに好意的に振る舞う理由)。カシミールに浸透するムジャヒッディーン討伐の過程でラームは村人を救い英雄となる。沢山のファンレターの中で彼の妻を名乗る女性のものが気になり、ハイダラーバードまで会いに行って二人は恋仲になる。シーターという名の彼女は実際にはニザームの家の王女だったが彼は知らない。彼はLOCを超えてテロの首魁を殺すサージカル・ストライクを行い成功するが幼い女児を救うために逃げ遅れて処刑される。テルグ語映画でニザームへの言及がある珍しい例。入り組んで忙しいストーリーに頭が疲れた。スマントの無駄遣いに涙。
Sita Ramam (Telugu/2022)をNTFLXで。
その後レビューを漁ったりして、本作監督がAndala Rakshasi(2012)のハヌ・ラーガヴァプーディだと知り、ちょっと待て!となった。全体的に夢の中のようなフワフワとした雰囲気はARと確かに似ている。ただ、Sita Ramamを見て感じたのは、カシミールとハイダラーバードのニザーム宮廷、どちらも映像作家が良く知らない世界なのではないかということ。ニザームの末裔の浮世離れした貴族性とか、カシミールの「いいムスリムと悪いムスリム」の違いがはっきりしない曖昧さとか、そういったものを肌で知ることなく想像で適当に作ってしまった感がぬぐえない。ラーガヴァプーディはテランガーナ人ではあるものの、AP寄りの地域の出生で、ハイダラーバード文化にそれほど造詣が深いとも思えないのだがどうなのか。一般レビューでオスマン・トルコの帝室からニザーム宮廷に嫁いだNilufer Hanımsultanがモデルなどと書かれていたが、根拠薄弱で問題外だった。