Jayam (Tamil/2003)をDVDで。
ジェヤム・ラヴィの出演作を多少は見ようというプロジェクト開始。今から約20年前ということで、さすがに古い作劇(しかしそれが心地よいのだ)。ニティン主演のテルグ映画のリメイク。よくある田舎カレッジでの一目惚れ~ストーキング~相思相愛~親の反対~恋敵が鬼畜~駆け落ち~恋敵との肉弾戦、という流れ。公開当時に見てたら荒唐無稽の一言で片づけていただろうけど、これは逆毛異カースト恋愛もので、それなりに現実を反映したものだったことが今は分かる。クライマックス前にムルガン神に祈るシーンがあって、神懸かった方に行くのかとも思ったが、主人公がムルガンの槍を手に戦うというのに留まった。鐵分は高く、ポッラーッチ線やテンカーシ線などでロケしている模様。屋外風景も多分ポッラーッチ。ご都合主義と人物の性格や感情の動きの描写における極度の様式化、物理法則無視などが満載ではあるが(というかそれだからこそ)、90年代田舎映画の名残りを留めた純朴と瑞々しさが感じられる。ジェヤム・ラヴィはいかにもな坊ちゃんぶりで、田舎の学生には見えないけど、リアリズムの時代ではなかったのだ。