Natchathiram Nagargiradhu (Tamil/2022)をNTFLXで。
168分の長編。止むを得ない事情で前半後半を数日開けてみることになってしまった。前半の印象はパッとしなかった。お洒落なポンディが舞台。演劇人グループの群像ドラマ風。白人、黒人、トランスセクシャル、ゲイ、柄物のクルタ着たインテリ演劇人などが高尚な芝居を作るために集まって、高尚な会話をしながらリハをして、一方若い男女はフワフワと自由恋愛でくっついたり離れたりしている。そこにやってきた異物としての俗物アルジュンが本当にイタイい。完全にデタッチで折り返し。ランジットもこんな思弁を弄ぶ方向に行ってしまったかと思っていたら、後半で完全にひっくり返し。上位カーストのアルジュンの結婚式に至る描写で吹いた。また謎の白衣の悪役のインパクト。そして、クライマックスのステージでの火柱。「演劇はリアリズム映画とは違う、希望を指し示さなければならない」というコンセプトで寝られた芝居の冒頭のダンスは本当に美しい(映画だから撮れる美しさでもあるが)。しかしそこに異物が侵入して、その美が破壊されることによって何かが完成したのだ。