Chhello Show (Gujarati/2022)を試写で。
英題Last Film Show、邦題「エンドロールの続き」。零落したバラモンの家の男の子が映画に魅せられていくさまを描く。全体としてこの子は映画作りよりも映画上映に魅せられているのだが、ショッキングで厳しいイニシエーションを経て映画作りに向かっていくのだろうというラスト。あのトラウマ体験をポジティブに咀嚼するというのはまさに若いインドの底力としか言いようがない。リアリズムからシュールリアリズムに飛躍する美しくも無残なあのシーンは、『人間機械』を思い起こさせた。サウラーシュトラの自然と風物もたっぷりで、当たり前のように登場するライオンの群れに吃驚。シッディのキャラクターが2人も出てきた。鉄道を使って釘を矢尻に加工する野生児が、映画に魅せられ、自然の中でと同じく傍若無人に振る舞おうとして矯められ、やがて進むべき道を見つけて歩み出すという物語。芸術フォーマットだが、続編を作って欲しい一作。鉄道のゲージ転換が映画のフォーマットの転換とパラレルに語られる。カーストは無関係、夢をかなえる手段は英語しかないというのは、むしろ希望か。