Garuda Gamana Vrishabha Vahana (Kannada/2021)をオンラインで。
以前から焦ってたのをやっと鑑賞。噂にたがわぬマスターピース。前年のマラヤーラム映画AKと共にこの10年の最高峰と言っていいのではないか。Ondu Motteya Katheは中途半端な設定であまり乗れなかったのだが、本作でのラージ・B・シェッティは何かが乗り移ったよう。本作をPithamaganと比するレビューもあり、確かにそれはある。暗黒系バディームービーとして、片割れはやや世俗に寄ったキャラクターになる点も共通。ただ物語の風合いとしては嫌が応にもUlidavaru Kandanteを思い出す。あの、沿海地方でもケーララとは様相が違う、光の中の黒の粒子というか翳りというか、ともかくスミ濃度の高い絵面。塩気をたっぷりと含んだ熱風と、濃い影を際立たせる日差し。よくある流血サーガである以上に「太陽の光が眩しかったから」的な不条理世界を見ている気もする。『異邦人』と異なるのは神話世界との大胆な類推表現。カ映画に新たな血を途切れることなく供給しているのはトゥルナードだとの認識を新たにした。